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医療の撤退戦

一般社団法人医療介護福祉政策研究フォーラムが1月30日に開催され、
その一部がネットで紹介されていました。

厚労省医政局医事課長の西嶋康浩氏が「なし崩し的に地域医療が崩れてしまう前に」とか、
医師でもある参議院議員の古川俊治氏が「日本の医療は拡充を進めてきたが、撤退戦は初めて」と言われました。

つまり日本の医療は縮小に向かっているという認識は我々の様に”木”を見ている者はもちろんのこと、
”森”を俯瞰している方々においても同様であるということです。

西嶋課長が述べられていることは、函館市医師会の業務を担っていると
ものすごく実感しています。

とあるニュース、座談会では
「地方医療や僻地医療では医師不足、医師不足と叫ばれるが、違うんだ。患者不足なんだ。
例えば人口500人の地域では医業経営は成り立たないんだ。」と言われていました。

住民の安全と安心の生活のために医療機関は生活インフラと同じですが、
一方で患者が少ないと今の保険診療制度の下では営業持続が困難です。

どんなに美味しいラーメンを作ることが出来ても
食べてくれる人がいないとお店は潰れます。
閉店しないのならば、もう少し集客出来る場所に移転せざるを得ません。
だって従業員の生活もあるわけですから。

また別に私が注目しているのは若い先生方の人生観や職業意識の変化についてです。
我々が学生の頃でも仕事がきつい体育会系の診療科は敬遠されがちでしたが、
今は更に踏み込んでワークライフバランスが優先事項になっています。

昔に比べて医師としての使命感や責任感が少なくなっているとは思いませんが、
自分や家族との生活を犠牲にするのではなく、より充実させる意識が強いと思います。
「頑張る時は頑張る。しかし休みをとって思いっきり休む。」

持続可能な医療とするためには、自壊する前に上手に縮小する医療が求められてくるのです。
その際に重要な点は患者数減少と医療従事者の考え方の変化への対応です。

厚労省が考えるような、お金を増やせば崩壊を食い止められるという発想では無理です。
医療は医師と患者があって成立しており、
医師にばかり施策の矛先を向けていては持続可能な医療の構築は不可能です。
患者にも持続可能な医療への協力を求める必要があります。
例えば救急車の有料化や選定療養費はその一部になります。

そうでなければ今の若い世代が高齢化した頃は
今の高齢者と同等の医療を受けることが難しくなります。
特に介護については原則外国人の参入が不可欠です。

撤退戦という言葉の響きは強烈でしたが、
少なくとも函館のような地方都市においては
2040年に向けて全国のモデルとなるような”縮小”の施策を行うべきだと考えます。

院長 小西宏明

2025-02-09 21:14:00

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恵みの太陽

今日の予報では気温が7度まで急上昇することになっていました。
当然日差しがちょうどクリニック前の駐車場に降り注ぐはずで、
これは雪が融けるチャンスだと思いました。

昨晩からの積雪量は多くなかったのですが、
敢えて雪かきをしました。

雪が降った後の除雪は必要な部分を中心に行なうため
敷地の隅の方に雪山が造られていきます。
しかしその後折角気温が上昇しても、厚く積まれた雪はなかなか融けません。
状況によっては”排雪”を依頼しなければ、
雪山に積み増すにも限界があります。

ということで、朝一から駐車場の隅に造られた雪山を崩して別の場所に移動したのです。
こうしておけば昼間の日差しと気温上昇で雪融けしやすくなるからです。

実は昨年までの除雪業者の担当者は、
駐車場の隅々、車止め周囲、階段など手作業を入れて除雪して下さいましたが、
今期のメンバーは重機で必要最低限のエリアのみです。
器用にショベルを操って車を駐める場所だけをかいています。

これまでは少なくとも手作業2人とショベルカー1台でしたが、
今は2人でショベルカー2台を操作するだけです。
その分、時間も短い感じがします。
一気に「ガー」とかいて、次の契約場所に移動ってな具合です。
おそらく昨年よりも除雪場所が増えたのかもしれません。

これでは除雪内容が悪くなったのではと思われるでしょうが、
実はそれを割り引くくらい有り難いことがあります。

それは道路を一部除雪して頂けることです。
駐車場は当然公道に面しており、
もしその道路の積雪が多かったり、轍がきつかったりすれば、
とても駐車場に入りにくくなります。

その必要最低限のところを重機で除雪しているのです。
駐車場の細かいところの除雪は我々の手作業でも出来ますが、
道路は広く雪の量が多くて無理です。

公道の除雪は厳密には市の除雪に任せるべきなのですが、
函館市は北斗市と違い財政が厳しく、
住宅地の道が除雪されるのはシーズン中に1または2回程度です。
特に朝一番は幹線道路が最優先です。

故に積雪が多い地方では医療機関のような公共性が高い施設は
大きな道路に面した場所に造るべきでしょう。

ところで毎年除雪メンバーが違うのは
やはり人手不足や辞めていく人が多いということなのでしょうか。
開院直後は除雪機まで購入して自分達でやっていましたが、
数年前のような大雪を経験すると人力だけでは無理で、
何よりも歳をとっていく影響は無視出来なくなりました。

診察する前に疲れ切ってしまいますから。
今のところ、雪山を崩すくらいは身体をほぐす良い運動のレベルです。

案の定、お昼頃に駐車場をみると、
適度に積雪が薄くなった部分はアスファルトが露出していました。
日差しの恵みに感謝です。

函館は大雪のピークは過ぎました。
明日も気になる細かいところを除雪しておこうと思います。

院長 小西宏明

2025-02-08 21:39:00

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餅は餅屋

水曜日夕方に発生した暖房器故障は3日目に入りました。

朝からの診療に備えて合計10台の小型ファンヒーターを貸し出して頂き、
夕方から仮稼働してみました。
ところが想像以上にクリニックの1階空間が広かったため、十分な暖を取ることが難しいと判断されました。

と言うことで、急遽早朝に体育館などで使うような大型機を搬入してもらいました。
一般家庭用ではないため、見たこともない機種でした。
さすがに3カ所に設置すると瞬く間に暖まり、小型機の運転を中止するほどでした。

朝から順調に診療をしていくと
偶々患者さんで消防関係者がおられて
「この設置方法は危険ですよ」と教えて下さいました。

要するに壁など周囲の構造物との距離が近すぎて発火する虞があるということでした。
これは一大事です。
ソクラテスの「無知は罪」を思い出してしまいました。
と同時に「餅は餅屋」、偶然とは言え消防関係者がおられたことは幸いでした。

肝心な空調設備は午後3時過ぎに完全復旧しました。
夜の医師会理事会から帰宅すると
いつも通りに建物全体がまた暖かくなっていました。

これほど長時間にわたり暖房が止まってしまうことは開院以来初めてでした。
原因は複数の部品の経年劣化でしたが、全てを新品に交換することは出来ませんでした。
社内で確保していた中古部品で復旧を最優先に対応して頂けました。

これまた「餅は餅屋」で、原因究明と修理、さらに今後の予防については
お任せするしかありません。
生憎の天候にもかかわらず、室外機にブルーシートで仮設のスペースを確保して
雪が降り続く中での作業でした。

お互いに寄りによってこんな厳しい天候の時に限って何で故障してしまうのかと
思わざるを得ませんが、
一方では「形あるものは必ずいつか壊れる」という仏教の諸行無常があります。
誰のせいでもない、仕方のないことと納得しなければなりません。

こうして暖かい部屋で過ごせる有り難さを感じると
「大切なものは失って初めて知る」だなと思いました。

何か名言があるかなとググってみると、
「居安思危 こあんしき」
失って初めてその重大さに気付くとありました。

但しこの言葉は「備えあれば憂いなし」と同じような意味でもあり、
調子の良い時ほど気をつけなさいということだそうです。

一方で「親孝行したいときには親はなし」とも言われます。

このような大きな故障を予防するために定期点検を行ってくれています。
前回は昨年8月でしたが、それでも壊れたわけです。

昨年の健診ではレントゲンに異常なかったのに
今年肺癌が見つかったなどと言うことは
我々の間では驚きではありません。1年の間に肺癌が発生することは十分想定内です。

完全な予防は不可能ですから。
それであっても1年未満で発見された肺癌の多くは初期であり、
十分根治が望めますから、健診の意義はあるのです。

機械も人間も、予防の次に重要なことは
”良い餅屋”に出会うことです。
今回、降りしきる雪の中で作業される姿には感謝しかありませんでした。

次回は願わくば春や秋の天候の良い日に壊れて欲しいものです。
いや、もう壊れないで欲しいです。

院長 小西宏明
 

2025-02-07 21:47:00

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空調設備故障

昨日夕方に空調設備が故障して暖房が効かなくなりました。
昨日の夜、そして本日も部品交換を含めて
修理してもらいましたが、未だ復旧していません。

これほど長い時間の停止は開院後数年で大晦日に起こった時以来です。

ここのところの大雪の影響が全く無いとは言えないと思いますが、
部品の経年劣化がありました。

建物全体が冷え込んでしまうと想像以上のことが起こりました。
ドアや椅子はもちろんのこと、食器、歯磨き、クリームなども
全て冷たくなるのです。

まあ冷蔵庫の中身を考えれば当然なのですが。
そう、建物が自然の冷蔵庫です。

明日の診療のために北ガスから石油ファンヒーターを多数搬入して頂きましたが、
このような大きな容量の冷蔵庫になった状態を
通常の活動が出来る温度にまで上げることが可能かどうか。

夜明けを待たずに対応する予定です。

院長 小西宏明

2025-02-06 21:05:00

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除雪機事故

天気予報通りに本格的に雪となり、
朝から業者の除雪が入りましたが、直ぐにまた積もってしまいました。

いつものように電動除雪機で開院までに少しでも雪を減らそうとしました。

ところが
何と業者のショベルカーによって圧雪アイスバーンとなり、
タイヤの痕に沿って帯状に滑りやすい場所が出来ていました。

そうとは知らずに除雪機を動かしていると
急に視界が真っ白になり、後ろに転倒してしまいました。

そして除雪機の底面に片脚が入り込みそうになったところで
モーターのオンオフのハンドルレバーから手が離れて止まりました。
幸いズルッとスッテンコロリン程度でした。

しかし思わず除雪機の死亡事故のことが頭を過りました。
もしこれが大型機やガソリン駆動だったとしたら、
きっと足が下敷きになって怪我をするか、
腹部か胸部に乗り上げれば圧死だと思いました。

除雪最中はもっとドンドン進まないのかなと感じることもありますが、
実はものすごい力で動いているのです。

こういった機械物や大きな塊物に比べると
人間の身体は非常に脆いと言わざるを得ません。

昨年は雪かきで腰を痛めたので、とても注意していますが、
今回は除雪機にやられました。

未だ未だ雪は続く予報です。
気をつけます。

院長 小西宏明

2025-02-05 13:47:25

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コロナとインフル

先週もそして今週も
軽微な風邪症状にもかかわらず
コロナであったりインフルエンザが出ています。

皆さん陽性結果を告げると驚きを隠せない様子でした。
「どこで感染したんでしょう」 必ず質問されます。
「ワクチン打ったのに」 私はコロナワクチンは8回やりましたが、感染しています。

「今はもう何処にでも患者さんが沢山いるからですよ」
「ワクチンで完全に感染を防げるわけではないですよ」と説明します。

札幌は定期的に下水道の排水内のコロナウィルスを調査していますが、
明らかに実際の感染者数と乖離しており
感染が広がっていると推測出来るのです。

つまり無症状感染者が大勢街に繰り出しているということです。

マスクは感染予防に最重要ですが、
それでも効果は70%程度、
不織布マスク以外では30%にまで低下します。
未だに口の部分だけ透明なプラスチックで覆うタイプのものを使っている人がいますが、
あれはほぼ効果はありません。

ソーシャルディスタンスもなし崩しになっていますから
マスクをしていない人が多い場合や
密な場所には近寄らない方が得策ですが、
実際には自らが出来ることには限界があります。

ただただこの受験シーズン真っ只中、
受験生にはコロナやインフルエンザは当然で
普段の風邪でも罹らないようにして欲しいと思います。

大学のクラブの後輩は現役受験の時に体調を崩してしまい
1浪したそうです。
もしかしたら同級生だったかもしれません。

韓国や中国ほどではないと思いますが、
高校や大学の進学はやはり将来の選択枝に関わってきます。
どんな先生から学べるのか、
どんな仲間と学べるのかがとても重要です。

天気予報では今週が今シーズンの寒さの底になるそうです。
今一度、感染予防を徹底して
ちょっとした体調変化でも大丈夫としない方が良いと思います。

ちなみに今のコロナ感染は発熱しないことも稀ではありません。

院長 小西宏明

2025-02-04 06:07:11

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サンドイッチ

今日のお昼は皆でサンドイッチ専門店 グルマンカンタに注文しました。
と言っても、先週から注文しておかないと売り切れメニューが出てしまうのです。

ご多分に漏れず価格は昨年からジワジワと上がっています。

お店にとって材料費、人件費、輸送費、ガソリンなどほとんど全てが上昇する中、
商品への価格転化は非常に悩ましいところです。

だからと言って同じ価格を維持するには
量を減らしたり、中身を変えたり、個々の質を下げたり、
様々な選択枝はあります。

しかしやはり美味しいもの、
その店ならではのものを食べたい立場からは
少なくとも質を変えないで欲しいと思いますし、
ならば価格上昇は止むなしと納得します。

今回のサンドイッチも、あの味を堪能したいからわざわざ購入するわけですから
例え5%、いや10%高くなっても味は変えないで欲しいのです。
なんならパンの大きさや具材の量も同じが良いのです。

別のお店は量を変えただろうと思えるところがありました。
確かに味は同じなので満足度が極端に落ちるとか、
ならば別のお店に変えようとかにはなりませんが、
やはり満腹感、充足感が得られる”適量”も変えないで欲しいと思います。

人気メニュー、名物料理は
それに対して対価を支払うつもりでいるわけですから。

なんやかんや思うところはありますが、
いつもながらの満足度でお昼を終えました。

こうしてまともなお昼ご飯をゆっくり食べられることで
逆に大学病院での仕事の大変さが思い出されますし、
若さ故に無理が利いたと思います。

先日もYouTube動画で若手医師が卒後数年で美容外科に進むことや、
3Kと言われる診療科で10年近く頑張った医師が
バーンアウトして美容に転科することなどが紹介されていました。

また身近なところで昨今の研修医に対する働き方改革のことを伺うと
我々の頃、すなわち定年間近な世代が20歳代の頃とは
医療に対する取り組み方が違うなと思います。

誤解なきように言えば、
医業も収入を得る仕事のひとつであることと
自分の時間、趣味の時間を大切にすることです。

「ワーク ライフ バランス」は
明らかに世代間ギャップがあります。
しかし「良い仕事をする」という気持ちは昔も今も
医療従事者の使命だと考えています。

良い仕事が出来るように、
それぞれのやり方を見つけていけば良いと思います。

院長 小西宏明
 

2025-02-03 18:47:55

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第二のニセコ

札幌にもやっとまとまった積雪が得られ、
明後日からの雪まつり関係者もホッとしているそうです。

雪は今や重要な観光資源です。

ネットの記事で長野県白馬村の地価上昇率が32%で
半導体工場誘致で沸いた大分県菊陽町を抜いたそうです。
要因はニセコのスキーリゾートと同じ構図になったからです。

次々と外資の高級ホテルも進出していますし、
高額物件のマンションも建設中です。

ニセコは地元の人々が住みにくいほどにあらゆる物と人の値段が上昇しています。
特に土地の価格が上昇すると固定資産税や相続税に影響して、
次世代へ引き継ぐことも出来なくなります。

しかしこのニュースは一方で
インバウンド需要の勝ち組に必要なモノは何かという問いかけにもなると思います。

となれば、当地函館はどうでしょうか。

市でもアンケートや関係者の会議を設けています。
例えば観光として人気が高いのはベイエリアで、
満足度が高いのは飲食、
そして外国人旅行者は12、1月に多いということでした。

インバウンドの消費額は円安の恩恵もあり、
日本人とは10倍以上の開きがあります。
特に都内を中心に宿泊費は1泊20万円以上でも成立します。

では函館に1泊20万以上のホテルが出来得るでしょうか。
日本人旅行者は5000円から1万円が最多層で、
しかもニセコのように9割が外国人の地域とは違います。

函館やその周辺の観光名所を見ても
外国人が興味をもつものが果たして多いでしょうか。
”異国情緒”や”和洋折衷”はあくまで日本人目線だと思います。

インバウンド対象の観光では”宿坊”がキーワードとなって、
1泊100万円で本殿に泊まれるツアーも出てきています。
「これぞ日本」という場所や物が牽引力です。

その点からすると函館は国内観光客向けの戦略が重要なのだと言えます。
客単価は外国人には遠く及びませんから、数で稼がなければなりません。

もう少し俯瞰して、観光以外ではどうでしょうか。
函館全体の収入源は卸小売業が大半を占めており、
残りはどんぐりの背比べです。
ということは”未開”とも解せます。

そこで出てくるのが以前に医師会の先生からもご提案のあった
高齢者の新たな居住地、セカンドライフの地です。
さらにその延長には介護も想定出来るかもしれません。

積極的に高齢者を受け入れるという発想です。
もちろん最初のセカンドライフの対象はいわゆる”元気な高齢者”であり、
さらに春から秋の3シーズンと想定して良いと思います。

都市部の気温上昇や頻発している天災を考えると
函館は未だ未だ涼しい夏があり、幸いにも大きな災害は少ない地区です。

ニセコがそうであるように自然の理を活かさない手はなく、
それは人の手では変わらないものです。

もうひとつは外国人からの積極的な移民の受け入れです。
可能ならサービス業や介護人材としての登用を想定したいところです。
人口減少が不可避なことは行政もすでに認識しており、
今更どんな施策を取ろうとも出生数は増加しません。

函館の弱点は札幌から遠いことでしたが、
願わくば2040年までには北海道新幹線の札幌延伸が実現して欲しいと思います。
今や2035年開業どころが事業未完も現実味がありますから。

白馬村が第二のニセコにしないために様々な手を講じ始めています。
函館も観光という一本足打法を強化すると共に
もう一本別の足で支えることを考えなければなりません。

院長 小西宏明
 

2025-02-02 20:48:00

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電子処方箋

マイナンバーカードを保険証として使用することともに
電子処方箋の利用も推進されています。

当院もその設備は整えてありますが、
未だ使用に至っていません。

最大のメリットとされる薬剤の誤投与や重複投与の確認は
以前から薬局の方で可能になっています。
また災害によって医療機関が被災した場合でも
投薬情報は薬局でも管理されています。

電子処方箋がマイナンバーカード以上に普及しないのには
いくつか理由が挙げられます。
1.多忙な外来で医師の本人確認などこれまでよりも手間がかかる。
2.結局受付番号相当の紙を出力しなければならない。
3.システム導入後もメンテ費用や更新費用が発生する。

昨年6月から施行された生活習慣病患者への
療養計画書の配布義務によって現場、特に医師の新たな負担となっています。
病院では予め事務スタッフが計画書を準備してくれる運用のようですが、
それでも内容説明は医師が行います。
さらに署名については看護師や事務の手をとらせています。

そのような混乱や医療従事者の負担増の中でさらに電子処方箋という
新しいシステム導入は我々のみならず患者自身にとっても大きな負担です。
特に処方箋という紙が受付番号票という紙に代わっただけで、
患者動線には全くメリットはありません。

先日は処方内容と電子処方箋内容に齟齬が生じたため
全国一斉にシステム運用を停止して確認作業が必要になりました。
実はミスがなくても定期メンテは電子システムでは必須ですし、
数年ごとの更新作業やパソコン自体の入れ替えも必要になります。

確かに導入時には補助金が出ていますが、
その後のシステム維持や更新費用は各医療機関の負担です。
業者に支払うお金は増えています。

実は業者の側も技術者不足に見舞われており、
国が次々新しいシステム導入をしても
それを全国津々浦々サポートする人員は確保しきれていないと思われます。

日本は医療のみならず先進国の中でデジタル化の遅れは否めません。
例えば現金決済とカード決済にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、
それ以上に世の中の流れというものがあり、
もし9割の人が利用していれば残り1割もそれに従わざるを得なくなります。

実際外国では小売や飲食の現場で現金が使えない場所は増えています。

話を戻すと、電子処方箋もマイナンバーカード同様に
いずれは置き換えしなければならなくなるでしょうが、
それよりももっと大きな流れとして
小さな診療所やクリニックは経営面や人員の面から新規開業が減少するのではないかと考えています。

そもそも医師自体が保険診療という枠組みの呪縛から逃れ始めていたり、
制度による政策誘導の締め付けに耐えられなくなってくると思います。

マイナンバーカード、電子処方箋、次には全ての医療機関への電子カルテ導入が控えていますし、
その先にはPersonal Health Record(個人健康記録)が見えて来ています。

コロナ禍でニューヨーク市長が
「人工呼吸器、人工呼吸器、人工呼吸器」と叫んだことがありました。

「マイナ保険証、電子処方箋、電子カルテ」と連呼される日も近いと思います。

院長 小西宏明
 

2025-02-01 20:29:00

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夜間急病センター

年末年始を中心に猛威を振るったインフルエンザも
全国で警報レベルはなくなりました。

今日の夜間急病センター当番でも発熱は2名で
いずれもコロナを含め陰性でした。

ここ1週間は日中の診療でも極端に問い合わせなどは減っています。

次に気になってくるのが次のコロナ感染症の増加です。
中国で流行中のヒトメタニューモウイルス感染症も春節大移動で危惧されますが、
新しい変異株のコロナはさらに要注意です。

これまでのワクチンや感染歴があっても抗体が有効ではないと考えられています。
ただ毒性、重症度については現在までと同様ではないかという予測です。

ここ数年、次々のいろいろなウイルスが話題となり、
国民の間でも”ウイルス”というものの理解が進んだのではないでしょうか。

そこで重要になってくるのが
抗生物質と抗ウイルス薬の違いです。

抗生物質は細菌などの感染症に効く薬剤であり、
ウイルスには全く無効です。
にもかかわらず医師自らがウイルス感染によって引き起こされる風邪に対して
抗生物質を処方し続けたため、
この誤解はなかなか解消しません。

一般の方は知るよしもないのですが、
耐性菌が如何に生命を脅かす厄介者であるかということ。
安易に抗生物質を使用すると、本人のみならず周囲のそこら中にいる細菌にも影響して
薬の効かない菌に変異させてしまいます。

以前から厚労省は医師に対して、風邪は当然のことながら、
咽頭炎、扁桃炎、中耳炎であっても安易に抗生物質を使用しないよう注意喚起しています。
専門家に敢えて言わなければならないくらい、
昔からの習慣で漫然と投薬されるケースが未だ多いということです。

初診で抗インフルエンザ薬と抗生物質の同時投与など
医学的に適応となる症例は極めて少なく、
診断根拠を伺ってみたいものです。

多くは予防的に念のためということだと思いますが、
「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」では困ります。

それはさておき、函館もインフルエンザの患者数は激減しました。
今日、送迎して頂いたタクシー運転手の話では
海外の旅行客はものすごい数だそうです。
秋頃よりも若い人が多いと言われていました。

若い人は元気ですが、
一方でコロナに関しては無症状感染しているケースが多いため、
実は注意が必要です。

明日から2月で、
もし変異株のコロナが流行るとすれば、
中旬以降かと思います。

引き続き油断禁物です。

院長 小西宏明

 

2025-01-31 23:59:00

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