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認知症研究

認知症研究

認知症患者さんの診察では、しばしば困難に遭遇します。

病気を診断する上で主訴は大前提です。
例えば痛みであれば、そもそも痛みがあるのか、ないのか。
さらに痛みの種類や強さ、部位などに関しては
正確に捉えることが難しくなります。

すでに救急現場では問題となる症例が出ており、
診断学の基本をスキップしていきなり全身CT検査などということもあり得るでしょう。

先日届いた学士会報に日本認知症学会の会長が寄稿されていました。
内容は認知症研究の課題についてです。
医学的な課題はともかくとして、2つのことが気になりました。

ひとつは新薬が出来たとしても治験が成立しない問題です。
認知症を発症する前の段階の人を被検者として集める困難。
認知症による生活機能の低下や薬による改善を評価する”ものさし”がない困難。

もうひとつは莫大な薬の開発費です。
抗がん剤の開発には8億ドルから10億ドルがかかるそうです。
アルツハイマー病では最低でも50億ドルから60億ドルが必要と言われています。

アルツハイマー病の薬の治験は過去十数年以上一度も成功していないそうです。
世界レベルの大手製薬企業も相次いで治験薬の開発から撤退を表明しています。

認知症の病理はどんどん解明されていますが、
最終段階としての治療については未だロードマップすら引けない状況だと考えます。

2025年、65歳以上の5人に1人は認知症を発症と予測されています。
あと5年です。その時点では未だ治療が困難と判明しているわけですから、
患者さんとの共存社会の構築が急務です。

それには生活支援の仕組みづくりと共に
生活習慣病など併存症の診断と治療の仕組みづくりも必要です。
外来診療の基本である定期通院と服薬でさえも
家族や第三者の支援が不可欠だからです。

現状の仕組みである”地域包括支援センター”の役割が益々重要になります。

院長 小西宏明
 

2020-01-08 20:30:36

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