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電子カルテと個人情報

電子カルテと個人情報

500床以上の病院の殆どが電子カルテになっています。
医療記録がデジタル化された恩恵は計り知れませんが、
検査結果の確認漏れなど色々な課題が浮き彫りになってきています。

その中でも個人情報保護は当初からの問題です。
IDを有する病院職員ならカルテを閲覧出来てしまうシステムだからです。
紙カルテなら、実体としてのカルテを用意しなければなりません。
ところが電子カルテでは端末さえあれば全患者カルテにアクセス出来ます。

有名な元プロ野球選手が手術を受けた際、
医師や看護師初め多くの病院職員がそのカルテを閲覧したと言われています。

私は2004年、前職の大学病院に電子カルテを導入した責任者でした。
その際、この問題には特に配慮しました。
翌2005年には個人情報保護法が医療機関に全面施行されました。

私が行ったことは3つです。
1.個人情報の意味を職員に周知すること。
2.カルテの閲覧履歴がチェックできる機能をもたせること。
3.定期的に不正閲覧の監査を行うこと。

人は誰しも他人のプライバシーに興味を持つものです。
これがカルテの不正閲覧の根底にあり、
ある意味では極自然なものとも言えます。

同時に自分が他人から覗き見される立場になった時のことを考えれば、
この行為が倫理的に不正であることも自明です。

このことを理解してもらうために毎年1.を行いました。
それでも不正行為を完全に抑止することは出来ないと思いました。

この問題はどんな規制や罰則を設けようとも、
最後は各自の良心や倫理観に委ねられます。
そのため上記の後半部分の気持ち、すなわち覗かれる立場の不安感を知ってもらおうと考えました。
それが2.です。
自分のカルテを誰かが覗き見していないか、自分でチェック出来るようにしました。
もし閲覧履歴に疑義がある場合は監査請求出来ます。
この機能はかなり不正抑止効果があったと思います。

残念ながら人は悪魔の囁きに負けることもあります。
安心、安全なカルテシステムを維持するために罰は必要です。
それが3.です。

全カルテをチェックすることは不可能であるため、
いわゆる有名人やVIP、病院職員が入院した場合に重点的に監査を施行しました。
実はこの定期監査システムの恩恵を最も感じたのは病院職員自身でした。
自分の職場の関係者がカルテを覗き見ないという安心感です。

他人の情報にアクセスすることと、
自分の情報に他人がアクセスすることは同値です。
このことを肝に銘じて、病気の情報を扱う我々には
高い倫理観が求められます。

院長 小西宏明

2020-01-14 20:58:04

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