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自宅療養

自宅療養

コロナ感染の自宅療養が終わり本日から診療再開です。
この間多数の患者様にご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ございませんでした。

自らが罹患してみると様々なことがわかりました。
まずは感染経路です。本日ニュース報道されたように潜伏期間が約2.4日としますと
青森への新幹線の往復が思い浮かびます。
朝は始発を利用するため同じ車両には私ひとりでした。
戻りは確かに以前よりも観光客が増えていますが、満席にはほど遠い乗車率でした。

その他コンビニくらいしか不特定多数が集まる場所には行っていませんでした。
結論としては感染経路不明の市中感染だと考えます。

次に症状です。喉の軽い痛みがありましたが発熱はなく、時間的な余裕がなければ検査はしなかったと思います。
結果は陽性でしたので、軽症や無症状感染者が多いということを身をもって体験した次第です。
おそらく市中には沢山の潜在的な感染者がいるものと推定されます。

そして病状経過です。お陰様で喉の痛みは次の日にはなくなり、食事など普段通り摂取出来ました。
総じて言えば自分がこれまで罹患した風邪の方が症状も辛く経過も長引いていました。
これについてはやはりワクチン接種のお陰だろうと思います。

ただ症状やその経過についてはかなり個人差が大きいと考えられます。
高齢者が重症化しやすいのはこれまでの細菌感染やインフルエンザも同様ですし、
風邪であっても軽く終わる場合、2週間以上すっきりしない場合があります。
同じ人でも感染した時の体調によって様々な経過を辿ります。
このことからも新型コロナ感染症はやはり風邪のウイルスであることが裏付けられます。

では何が単純な風邪と違うのか。
ここからは全くの私見です。

ウイルスの体内での挙動ではないかと考えています。
すなわち喉などの上気道に長く停滞し続けること、
宿主の状態によっては容易に下気道(肺など)まで進入して
これまたそこに長く滞在することです。

原因はいろいろ推測できます。
新型ウイルスは気道の環境や組織に極めて親和性が高いとか、
ひとたび居心地が良いと爆発的に増殖するとか。

長くウイルスが居続けると問題となるのが生体防御反応である炎症、免疫反応です。
炎症が強ければ痛みや腫れが生じ、しかも長引きます。
免疫が持続的に惹起されれば免疫暴走も起きかねません。

実は似たような病気にIgA腎症があります。
腎臓の病気ですが、原因のひとつに喉の扁桃腺の炎症があります。
故に治療法には扁桃摘出があるのです。
喉での慢性炎症によって過剰に作り出される免疫グロブリンが腎臓の濾過器を目詰まりさせてしまいます。

コロナ後遺症患者を多数診察されている平畑先生は
上咽頭擦過療法と鼻うがいを提唱されています。
https://youtu.be/SnV69lbh19A
これは今回の私の仮説にも合致する治療方法です。
喉の奥に長らく滞在して慢性炎症を起こさせているであろうウイルスを
物理的に除去する方法で、
先のIgA腎症の扁桃摘出術と似た考え方です。

我々の身体は外界からの敵を水際で阻止する機構が多数備わっています。
生きていくためには酸素が必要ですから、
空気の取り込み口である鼻と口、そして喉には強靱な部隊が編成されています。
新型コロナウイルスはその部隊を一気に殲滅されるために
局所に強固にへばり付きながら増殖するのだと思います。

ところが闘いが終わって症状が完治したように見えても
密かに生き延びている輩がいると
それが持続的な免疫反応となり身体のあらゆる場所に余計な反応を起こして悪さをする、
それがコロナ後遺症ではないでしょうか。

といった仮説からさらに発展されるならば、
やはり有効な治療方法はウイルス進入後にその増殖力に負けないだけの部隊を投入することです。
それが抗体です。

風邪であれば侵入者に対して通常のスピードで抗体産生していれば問題なく治癒に至るのでしょうが、
新型コロナウイルスは爆発的な増殖力があります。
ひとつには予め抗体(武器)を大量に装備しておくこと。
ひとたび敵が侵入してきたらそれに呼応した抗体増産体制がとれること。
最前線でどんどん武器を使用するわけですから、
後方からの補給が重要です。

この2つの武器供給体制を構築するのがワクチンです。
これまでのボランティアの抗体保有率をみてみると、
1,2回の接種後に3回目を行うことで抗体は数十倍に増え、
さらに半年を経過してもなお2回目のピークを越えて残存しています。
逆に言えばワクチン2回接種だけでは不十分です。

何故か、それは変異株の増殖スピードが速すぎるからです。
2回接種後の抗体量では太刀打ち出来ません。
デルタ株に立ち向かうには、どうしても3回目のブースター効果が求められました。

さらに今4回目の接種を急ぎ始めたのはオミクロン株BA5の増殖力がこれまでで最高だからです。
そして来るべきBA2.75(ケンタウロス)はさらに速いと予想されますから、
どうしても体内に大量の武器を備蓄して、
工場も即時増産体制がとれなければなりません。
今やワクチン2回は未接種と同等に成り下がってしまいました。

今回の経験を通じて新型コロナウイルス感染症に対する見方が深まりました。
市中感染はロシアンルーレットの感は否めませんが、
基本的な予防策を続けるしかありません。

市内の病院でも感染者が止まらない状況です。
折角の夏休みですが、感染リスクの高い行動は控えるべきです。
それでも感染してしまいますが、
何もかも止めてしまうともっと感染者が増えることだけは確実です。

ウイズコロナはなかなか容易ではないと思います。

院長 小西宏明
 

2022-07-28 20:59:00

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