HOME医師のご紹介当院のご案内診療案内交通案内ギャラリー

クリニックブログ

2類見直し検討

2類見直し検討

保健所の業務逼迫に伴い
新型コロナ感染症の2類取り扱いの見直しが検討されるとのことです。

見直しの検討を始めることに異論はありませんが、
少なくとも現在の第7波、
そして直後に予想されているBA2.75の流行状況が見えてきてからが妥当だろうと考えます。

2類からの見直しにおいて比較対象とされるのがインフルエンザに代表される5類です。
しかしすでに多くの疫学的研究からこの両者には相違点があります。

重要な点は2つだと思います。
1.無症状感染率 インフルエンザでは10%程度でコロナでは数%から60%です。
ただインフルエンザではその段階ではウイルス量が少ないため人から人への感染力は弱いと考えられます。
一方コロナはご存知のようにとても感染力が強く、BA株は感染力増悪へと変異を続けています。

2.致死率 インフルエンザでは0.1%程度でコロナでは日本でも2%前後、世界では3から4%です。
死に至るかどうかは少なくとも医療提供体制に大きく依存します。
それまでの経過、重症化率という点ではインフルエンザよりもコロナの方が高くなっています。

この2つの特徴とそれぞれの国が決める社会制度や医療制度を考え合わせると
さらに2つの問題を指摘したいと思います。

1.届け出義務 いわゆる全数把握です。これは流行を把握する上では重要であり、またそれが予防にもつながります。
そして今回の議論の発端のひとつがこの制度です。
確かに保健所は感染者の報告の受領、そしてその後の指示に翻弄されています。
インフルエンザでは現場の医師が治療や療養、学校の休み期間などを説明するだけで良いのです。

2.自宅療養(隔離) この強制力に2類と5類の差があります。
インフルエンザでは原則5日間と指示しますが、どの程度遵守されているか不明です。
ただし学校は別の規則のため登校は禁止です。

1も2もその病気の性質によって必要性が変わります。
すなわちエボラ出血熱のように感染性が高く、致死率が高く、治療法がない場合は
感染者の把握と隔離が最低にして最大の流行回避策になります。

そんなとんでもない病気については自明ですが、コロナはどうでしょうか。
少なくとも前記の2つの病気の特徴を考えると”強制力のある隔離”が必須です。

インフルエンザのように努力義務としての自宅療養では、
特に職種や職場によってはウイルス量が多いまま勤務を継続せざるを得ないことが想定されます。
当然感染力が強いため周囲に感染を広げ、
その中でも重症化しやすい人が命の危険にさらされたり、
後遺症に悩まされたりするでしょう。

医療機関は病気の最前線にいます。
感染力のある人が普通に外来受診すると大変な事態になります。
スタッフへの感染も増加しますし、
クリニックを定期受診する人はコロナが重症化しやすい高齢者と
基礎疾患がある方ばかりです。

北海道の鈴木知事は99%が軽症か無症状であることを2類見直しの理由に挙げられました。
医療従事者が苦慮しているのは1%の重症またはその傾向のある患者さんの治療です。

2類の見直しに際しての課題は
1.保健所での全数把握の必要性の有無と届け出方法
2.濃厚接触者の取り扱い
3.365日の検査体制
4.自宅療養の強制力
5.抗ウイルス薬の適応

いずれにしてもコロナ感染症の一面だけを捉えて2類見直しを強調すべきではなく、
感染症の特徴を踏まえて議論が進められなければなりません。
少なくとも2類から5類という画一的なダウングレードではなく、
規制緩和”準2類”など新しい分類も可能です。
また感染多発地域の特例としての”準2類”という柔軟な運用もあるでしょう。

見直し議論の開始には賛成できますが、
このタイミングで感染症弱者と医療従事者にしわ寄せが来ることは避けて頂きたいと思います。

院長 小西宏明

2022-07-31 20:54:00

クリニックブログ   |  コメント(0)

 

コメント

お名前
URL
コメント

地図はこちら

お問い合わせ、0138-83-2080
クリニックブログ
Page Top