ここのところ毎日のように発熱などの問い合わせがあります。
当院では今月下旬からかかりつけ患者さんへの抗原検査を準備しており、
今のところは近医での検査のご案内をしています。
他のクリニックの先生からの情報では
先月末頃からは発熱者のほぼ100%がコロナ陽性で、
しかもインフルエンザA型がチラホラ。
今日、他院で検査を受けられた患者さんはコロナとインフルエンザA型の両方が陽性でした。
これまで8回もコロナの荒波を経験してきましたが、
ここまで検査の陽性率が高いことはありませんでした。
東京では既にエリスという変異株が半分以上を占めており、
これまでの状況を考えるとすでに市内の陽性者の中には
エリス感染があると考えるべきです。
まだ詳細な分析には至りませんが、
感染力はオミクロンよりも強いと言われています。
現在は重症化する人は少なく、投薬で自宅療養になっています。
すでに報道されているように第9波の真っ直中と考えた方が良い状況で、
東京のみならず東北の仙台でも平時の医療に影響が出ています。
明らかにマスク着用者が少なく、感染予防の意識が薄らいでいるからです。
今はお店に入ってもマスクをしない人の方が多くなりました。
今夏は函館も猛暑となり、そのことも非着用に拍車を掛けたと思います。
感染者が増加すると、ある一定割合で症状が長引く人がいます。
確かに以前よりも重症者は減っていますが、
症状が出ている期間や後遺症のことは余り話題に上りません。
またワクチン接種についてもトーンダウンしている印象は否めません。
幸いにも今月から使用されるワクチンはXBB1.5のみならず
エリスにも有効と言われています。
気懸かりなのはインフルエンザです。
どうやら夏前の終息なくして流行の入り口に入ったようです。
先日今季のインフルエンザワクチンの入荷予定がわかりました。
例年よりも備えは早いと思いますが、
やはり流行のピークを考えると11月末頃からの接種が望ましく、
当院もその準備を進めています。
もうひとつ心配なのが薬の不足です。
日本人は特に薬好きです。
昔、抗インフルエンザ薬のタミフルが出た時、
世界中の消費の数割が日本であったと言われるくらいです。
都内を中心に徐々に薬の不足が出始めているようです。
製薬会社も生産体制を見直したはずですが、
インフルとの同時流行が本格化すると大変だと思います。
いくら重症化する割合が低いとは言え、
病気にはなりたくないものです。
9波となったことをもう少し市民に徹底しても良い気がします。
医療現場との感覚の乖離があります。
まずはもう一度マスクの着用からの感染予防です。
院長 小西宏明
2023-09-13 21:32:02
クリニックブログ
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