リカバリールームのベッドを処分しました。
普段から御世話になっている事業ゴミ回収業者にお願いして
引き取りに来て頂きました。
週に2回定期的にゴミの回収に来られ、
開院以来もう10年目のお付き合いです。
皆さん明るくて元気な方が多い会社という印象です。
2階から重いベッドを下ろすので、
事前に私が出来るだけ分解しておきました。
ものの10分くらいで作業完了出来ました。
いつも通り元気な方々で、
「疾風のように現れて・・・」って感じでした。
今回処分した理由は静脈瘤手術件数の減少です。
下肢静脈瘤という病気は女性が7割くらいを占めており、
妊娠出産が主な発症原因です。
下肢静脈瘤治療は2011年にカテーテルによる低侵襲手術が保険適応となり
クリニックを中心に日帰り手術が始まり、手術件数が激増しました。
函館地区の潜在的な有病者から考えると
約10年で長らく症状に困っておられた患者さんの治療は終えられた感があります。
病気の内容から今後とも治療を要する患者さんはおられますが、
因みに当院ではピーク時の1/4程度に減少しています。
この傾向は先駆的に治療を開始した東京地区でも同様で、
日本の静脈瘤治療、特にレーザー治療を牽引された
都内の某クリニックは2年前に規模を縮小して移転されました。
ということで、今回のベッド処分を決めた次第です。
もうひとつの理由は
リカバリールームの一部をスタッフの休憩場所にして
マッサージチェアを移動するためです。
このマッサージ器はコロナ禍に北海道で行われた医療従事者を応援する支援金で
購入させてもらいました。
大企業のようなリラックス施設を設備することは
小さなクリニックでは難しいのですが、
支援金は大変有効だったと思っています。
ところで静脈瘤手術は減りましたが、
今は下肢に関する悩み、特にむくみの相談が年々増えています。
以前にブログでも触れたように、
そもそもむくみの専門外来が少ないのがその理由だと考えられます。
むくみ、下肢の腫れの多くは数年前からで緊急性がありません。
しかし中には深部静脈血栓症のように直ぐに診断して治療を開始しなければならない病気があり、
今週も1名救急搬送しました。
開院した直後にとある先生からお食事に誘って頂きました。
すでに20年近くクリニックをやっておられました。
先生からは励ましのお言葉を頂戴すると共に、
「開院して診療が軌道に乗ってきて、最後はマンネリとの戦いです。」とアドバイス?をもらいました。
もちろん大学病院でさえも日々珍しい疾患に遭遇したり、
予想外のことが次々起こるわけではありません。
また診療とは経験に基づく確実な診断と有効な治療を目指さなければなりません。
それはある意味では”マンネリ化”を目標とすることでもあります。
どこまで行っても先輩の先生の境地には追いつけませんが、
少なくとも当院は発展途上であり、
様々な病態の診断と治療の幅を広げています。
勤務医であれば60歳を超えればそれなりの役職、責任者となり
65歳で多くは定年退職です。
しかし開業した場合は60歳代は未だ未だ若手の部類です。
頭も身体も元気いっぱいと言えます。
処分したベッドを清々しくトラックに運び入れておられるのを拝見すると
やはり仕事は楽しく興味をもってやれるのが大切だと思いました。
院長 小西宏明
2023-09-16 21:46:00
クリニックブログ
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