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英語教育の低年齢化

英語教育の低年齢化

日本における英語教育の課題は長年に亘り議論と改革が繰り返されています。
それを物語るのが小学校からの英語の導入と
大学共通テストでのリスニングです。

特に共通テストの英語には大きな変化が短期間に起こっています。
リスイングの速度上昇、設問の高度化と
長文読解の分量の激増です。
これはとても高校3年になってからの対応では太刀打ち出来ません。
それこそリスニングは中学の頃から毎日少しずつ耳を鍛えなければなりません。

実はこのように大学入学試験のハードルを高くすることは
必然的に受験生に英語の準備を促すことにつながり、
引いては最も効果的な英語教育のレベルアップになるとみていることが
推察されます。

我々が学生の頃は英語の授業は中学校からで
単語、文法、英作文、長文読解を中心に学び、
大学入試で成果が試されました。

しかしこれでは高校を卒業しても英語圏の方々と自由に語り合うことは不可能でした。

いろいろと話題を振りまいている広島の安芸高田市 石丸市長は
「英語教育を幼稚園から導入することについて」と問われ、
「言語は問わない。幼少期から異文化に接することが重要である。」と返されました。
英語でも良いし、中国語でも良い、何語でも良いと言うことです。

英語の教育が必要なのではなく、
外国人との交流、異文化とのコミュニケーションが第一義であり、
そのための道具として言語を学ぶのです。

たまたま日本では外国=アメリカ=英語という構図があるだけです。

今、都市部では幼児期から英語の塾に通わせることは当たり前になっています。
確かに子供の綺麗な発音や会話を聞くと親としては
「ああ、英語が話せるようになってきた」と感じられるかもしれません。

しかし留学を経験すると英語は道具に過ぎないことをヒシヒシと感じます。
極論を言えば、英語が話せなくても研究は出来たのです。

要するに「相手と討論したい自分の考えを持っていることが第一義」なのです。
例え片言の英語でも、ヘタなジャパニーズ イングリッシュの発音でも
自分の意見があれば、彼らは聞いてくれます。
さらに正しい英語で聞き返してもくれます。

This is a pen.
英語としては正しいですが、こんなことを言う人はいません。
日本語でもそうです。日常会話で「これはぺんです。」と話しかけることがあるでしょうか。

Do you have a pen ?
これが教育すべき英語です。「ぺんある?ぺん持ってる?」これが会話です。

私はさらに
A pen ?
でも良いのです。つまり自分がぺんを探している、欲しがっている状況を知ってもらえば良いのです。

語学教育を早期に開始することには一定の意義はありますが、
それ以上に大切なことは日本語でしっかりと自分の考えを言えることだと思います。
自分に対して何も有益な情報を与えてくれない人とは深いコミュニケーションはしないからです。

英語が話せることよりも
まず日本語で意見が言えること。

アメリカでは就学前の子供でも
because 何故ならをきちんと言えます。

Do you like an apple ?と問うと、
小さな子でも
Yes. そしてWhy ?と問えば
Because it's so sweet.とかI like red.とか理由を言えます。

石丸市長の意見には賛成であり、
さらに学童期から「はい、いいえ」という選択型質問(closed question)ではなく、
「どうして?どんな風に?」という開放型質問(open question)を推進すべきです。
理由が言えない「はい、いいえ」では会話は進みませんし、
最悪なのは「何となく」という回答です。
そんな相手と討論は成り立ちません。

幼少期からの英語教育で必要なのは
becauseを上手に使えるようにすることです。
そのためには普段の日本語会話で、何故、どうしてを多用して
自分で考える力を身につけさせることだと思います。

院長 小西宏明


 

2023-09-17 21:16:00

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