昔は敬老と言えば65歳以上を想定していましたが、
少なくとも自分がその歳に近づくと実感とはかけ離れます。
高齢者の定義は難しいのですが、
確かに老年医学会が提唱するように75歳以上とした方が良いように感じます。
また一方では”元気”の定義も感覚的で、
「他人の手を借りずに身の回りのことが自分で出来る。」と
大雑把に考えられます。
ただ年齢と共に有病率が上昇することは”生物”としては如何ともしがたく、
元気な高齢者が増加したと思えるのは
病気の予防と診断治療が進歩したからです。
生きることを選択出来るのは人間だけであり、
全員が長生きしたいかどうかはわかりません。
しかし痛みや様々な苦しみは避けたいと考えるのは
万人に共通だと思います。
それが故に病気になったら病院に行くのです。
その考え方を広げると病気にならないための予防ということになります。
そして予防出来ているかの評価として健康診断があります。
健康診断は大きく2つに分けられます。
ひとつは主に内臓を評価するいわゆる”定期健診”であり、
もうひとつが筋骨格系を評価する”体力測定”です。
ご存知にように前者はすでにいろいろな種類のものが普及しています。
しかし後者はどうでしょうか。
敬老の日と言えば全国何処かで体力測定の催し物が開かれてはいます。
整形外科学会を中心として加齢に伴う”ロコモーティブ症候群”の予防が叫ばれています。
特に下半身の筋力は重要で、歩けなくなる、立てなくなることの弊害は余りにも大きいのです。
ところが特定健診のような画一的な万人向けの定期チェックが普及していません。
外来で出来る有用なものとして握力測定があり、
その他「立ち上がりテストや歩幅測定」などもありますが、
特定健診のような結果票は返信されません。
いずれにしても自分のロコモ度をチェックした方が良いわけです。
もしかすると内臓機能以上に速く衰えているかもしれません。
先月から毎朝のストレッチメニューにスクワットを取り入れました。
コロモ予防についていろいろ調べてみると
自宅で簡単に出来るトレーニングとして推奨されていたからです。
今はYouTube動画のお陰で膝や腰に注意した正しいやり方も簡単に学べます。
見据える先は「痛くない苦しくない歳のとり方」です。
60歳を超えたら、自主的なロコモ度チェックをお奨めします。
院長 小西宏明
2023-09-18 05:15:00
クリニックブログ
| コメント(0)