2月も後半に入るこの時期からチラホラと会社などでは
来年度の人事のうわさや実際の内示が出始めます。
昇任、退任や定年退職も
もちろん転職もあります。
しかし最も注目されるのは”長”が付く人達の動向です。
大きな組織であれば来年度からどんな人が自分達の上に立つのかは
仕事内容や引いては給与にも影響があるかもしれません。
一方、経営者、取締役など人事を決める立場の人達からすれば、
どんな人を登用するかは今後の組織運営を考える上で極めて重大です。
先日たまたま大学生が採用面接に臨む際の解説動画を見ました。
その動画では採用する側の内情として今までと違った視点がありました。
それは「どんな人は困るか」です。
採用試験に臨む人はどうやれば採ってもらいやすいかという内容を期待するのですが、
その真逆の説明です。
簡単に言うと、
「会社に害を与える人は採用したくない」です。
更に言うと、
「カビの生えたミカンのように、次々と隣のミカンにもカビを広げていく」です。
日本の雇用制度は労働者を保護する仕組みになっています。
故に正社員として雇った人を解雇するのは非常に大変です。
一方アメリカはご存知のように朝出社したら自分の机がなかったとか、
そもそも玄関がカードキーで開かないというくらいドライな雇用関係があります。
経営者の中には能力の低い人材には最小限の仕事だけ与えておけば良いが、
会社に貢献している社員までも巻き込んで生産性を落とすような人であると、
対処が大変だという方もおられます。
故に採用面接では
会社に貢献するかどうかよりも害を与えないかどうかを吟味すると。
先ほどの人事の話に戻ると、
組織の幹部からすると”害”とはこれまでの組織の運営方針に賛同しないという意味になります。
カビが広がるとは、アンチのグループを作ることに相当します。
組織の有り様については何が正しいとか、唯一無二の選択だと言えない場合はあります。
意見が錯綜することも当然です。
そこで群れを成して異を唱えられても困るわけで、
大切なことは協調性であり適当な落とし所に互いに譲歩して姿勢です。
これを理解して頂けない人には昇任はなく、
また退任勧告、さらには退職勧奨になるでしょう。
先日もそのような話があり、結局双方納得の上で退職されたそうです。
新人採用が難しいように
”長”への登用はもっと慎重にならざるを得ません。
長は必然的に部下を率いることであり、
カビが生えたミカンを箱に入れると瞬く間にカビが広がって一箱全部の商品価値がなくなります。
これからひと月くらいは
様々な人事の話が伝わってくると思いますが、
”長”になられる方は周囲の期待が大きいという意味では大変です。
カビを纏ったミカンだったと言われないように
頑張って頂きたいと思います。
院長 小西宏明
2024-02-17 21:39:00
クリニックブログ
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