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函医だより

函医だより

函館市医師会の会報の最新号が送られてきました。

未だ紙媒体ですかという声も聞こえてきそうですが、
医療は全てにおいて世の中のIT化の恩恵を最後に受ける、
いや最も保守的な業界と言っても過言ではありません。

役所に申請したり提出したりするものはほとんどが紙媒体です。
酷い物は未だに手書きです。
私は2004年に大学病院に電子カルテを導入する際、
県に対して書類を電子カルテから印刷したものでも許可して欲しいと願い出ましたが、
何やかやと「検討させて頂きます」で預かられてしまいました。
今年2024年、おそらく紙のままだと思います。
何故ならここ北海道でも同じ書類を使っているからです。
これでは医師の過労には歯止めを掛けられません。

話が完全に横に逸れました。
会報の最初にはいつも会員の先生方からの寄稿が掲載されます。
今回は五稜郭病院の加地正英先生が「九州からきて実感する、広大な北海道の医療の課題
:地理的距離と専門医不足の影響」と題して
前任地の福岡県久留米市と函館市を比較しておられました。

詳細は割愛しますが、
1.久留米市は人口10万人あたりの医師数が663.66人に対して
函館市は324.19人。
2.北海道は広く、医療施設へのアクセスに時間がかかることと
専門医が都市部に集中しているためさらに時間がかかる。
3.また家庭医である開業医の数も少なくなりつつある印象。
などに言及されました。

これに対してズバリとした解決策はなさそうとしながらも、
興味深かったのは患者に対するオンライン診療ではなく、
専門医が家庭医に対してオンライン補助をするという発案です。

患者への診療の責任は直接の家庭医が負うというスキームさえ確立しておけば、
医師同士で疑問点や方針について相談できた方が効率が良い気がしました。

また会報の後書きを担当された医師会広報部の五稜郭病院 中田智明院長は、
「地域医療構想会議でも、地域の事情にあった・・・」という枕言葉が使われ、
医療政策の中央で根本的な認識と議論がされてこなかったことが問題と断じられました。

私もその通りだと思いますとともに、
それだけ日本では地域格差が大きいことが問題だと考えます。
さらに言えば、にもかかわらず診療報酬が全国一律では
医師のモチベーションに影響すると思います。

元々日本は南北に細長く、
地理的な受療行動において北海道と九州の医療では当然違ってきます。
しかし全国共通なのは住民が分散して生活していることと、
医師が土地部に集まっていることです。
さらにそこに人口減少と高齢化が重なってきており、
何か英断的なことがなければこれまでと同じ医療提供体制を維持することは不可能です。

端的には住民が集合するか、医師が分散するかです。
北海道に関しては土地が広大であり医師も不足していることから
後者の選択はありません。

先の加地先生も1時間以上かけて通院する患者さんも稀ではないと言われていますし、
当院でも少なからず遠方から治療に来られています。
また専門医として青森でも診療を行っています。

中田院長も言及されたように医療提供側はすでにいろいろと知恵を絞っています。
となれば地域住民の側に対しては個々人の努力に頼るのではなく
行政が動く必要があると思います。
何故ならいずれ広大なエリアの生活インフラの維持が難しくなることから
居住区の集約化は避けては通れないからです。

「医療介護施設を中心とした都市計画、地域計画」
これは今後益々注目されると思います。

院長 小西宏明

2024-02-23 20:14:51

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