長きに亘った選挙戦も終わり、
石破氏が新総裁に選ばれました。
ネット検索する限りでも高市氏との対比の中で賛否両論あります。
一方で小泉氏が伸び悩み、最終的に決選投票に残れなかったことも
注目されました。
個人的には若さ故の失速というには
勉強不足、言葉の軽さは否めないと思いました。
石破氏と高市氏のどちらが総理総裁に相応しいのか、
これからの日本のリーダーとしての牽引力があるのかどうなのか、
これについてはどんな尺度で評価するかが重要です。
そして”尺度”とは各自のそれまでの経験や経歴の中で培われるはずです。
私は組織のリーダー、国のリーダーとしての素養には
事務方とどれだけ意思疎通、情報共有が出来るかがあると考えます。
自身の経験は余りに小さいものではありますが、
大学病院の院長補佐としての数年は貴重でした。
そこで学んだ事が事務方との連携です。
裏を返せば、自分で判断出来ないことが多すぎるということがわかったのです。
課題が多岐に亘り、病院内外で起こっていること全てを知ることなど出来ません。
専門家の意見も必要ですし、身近な事務方からの情報や考えを聞くことも必要でした。
事務方と上手に付き合えなかった身近な悪例が兵庫県知事です。
民意で選ばれたという”御旗”の下、
トップとしての大切な要素を台無しにされたと考えています。
私は院長補佐時代に、各部署にいる若手の事務職員を集めて勉強会を立ち上げました。
彼らが何を考え、何を疑問視しているかを知り、
一緒に病院の運営を考えていくためです。
私自身も幹部として組織を運営することには初心者でしたから。
そこで感じたのは
彼らは膨大な情報を有していますし、
若手ならではの素朴で正論な疑問を持っていることです。
もう大学病院を退職して10年以上ですが、
未だに交流のある事務職員もおり、
家庭の事情などなければ当院で働きたいとまで言ってくれます。
今年度から市立病院で診療報酬請求業務についてもワーキングを行って、
医師に対して保険診療の遵守や現場の問題を抽出するお手伝いをしています。
その中で感じることは医師側と事務方との協調が乏しい点です。
収入がなければ病院は存続出来ません。
自分達の給与だって保証されません。
医師は患者のために、事務方は病院のために頑張っています。
同じ方法にベクトルは向いているのですが、
ややもすると事務方と臨戦態勢に入るものもいます。
これは大学病院でも同様の経験があります。
「自分達の診療にケチを付けるのか」ということで
矛先を向けるのです。
日本の運営を支えているのは官僚であり、
彼らは公務員であることから65歳では定年します。
政治家と実務にあたるのはもっと下の世代です。
石破氏は67歳、高市氏は63歳でした。
党利党略よりも重要なことは
これら事務方とベクトルの向きを合わせて行くことだと思います。
国の全てを担えるほど総理総裁は全知全能ではありません。
街頭インタビューでは
「誰がなっても同じ」という意見が出ましたが、
「誰がやるかが重要」です。
クドいようですが兵庫県を見れば自明です。
これから1週間、注視しなければなりません。
院長 小西宏明
2024-09-27 21:28:00
クリニックブログ
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