「消えて、たまるか」というタイトルで市政はこだて10月号が出ました。
「止まらぬ人口減少。函館は、消滅するのかー」
残念ながら人口減少は以前の予想よりも速いペースで進んでいます。
今後とも止めることは難しい。
街として消滅するのか、これは災害に見舞われた地区を見ればその答えがあります。
公共交通機関とライフラインの存続です。
人口減少の影響を早くから受け始めるのが公共交通機関です。
札幌でさえ、運転手不足からバス路線の縮小が始まっています。
最後は電気ガス水道のメンテナンスがなくなれば、その場所に住むことは難しい。
特に高齢になれば、そして寒い北海道では。
函館の人口構成、人口減少には特徴があります。
私は以前から気になっていたのですが、市政はこだての冒頭でも取り上げられていました。
それは15歳に大きな人口減があることです。
「若者の転出超過が顕著に」と表されていました。
大学生へのアンケートでは卒業後に函館で働きたいと思わない人が
46.9%と約半数にも及んでいます。
就職先がないことが主な理由です。
また昨日、直近の全国小中学生の学力テストの結果が公表され、
函館はすべての教科で全国平均を下回っています。
高等教育に関しては私は以前から函館の課題だと感じています。
それは当院のスタッフのご子息、ご令嬢を見る限り、
優秀な生徒を育てる受け皿があるのだろうかということです。
日本は資源のない国です。食料自給率も低く、単独では生存が危うい国です。
名だたる経営者や学識経験者が叫ばれているように
日本の資源は”頭”、頭脳しかありません。
我が国の初等教育の成果は外国人観光客からの
「礼儀正しい、街がきれい、安全」などを聞いても明らかです。
しかし高校からの高等教育については世界の大学のランキングを見ても
危機感を持つ必要があります。
素質のある生徒を見抜き、少なくとも高校からは切磋琢磨出来る環境に置くことが必須だと思います。
市政はこだての記事の後半では昨年6月に市長を本部長とした「人口減少対策本部」が設置されたとあります。
どのような議論かはわかりませんが、
私は日本全体の人口減少、北海道という特殊な地方を考えると
札幌への教育と雇用の集中を促進すべきだと思います。
いやすでに現状は様々な面で札幌に依存しています。
そのために3つのことを考えています。
1.新幹線の札幌延伸の早期実現
そして以前からこのブログでも提案していますが、
2.貨物新幹線の検討と函館を道内物流のターミナルとする構想です。
もうひとつは3.函館を高齢者の街とすることです。
道内では比較的雪が少なく気候が良くて、空路陸路と東京へのアクセスが良好です。
第二の人生、人生最後を過ごす土地としての函館です。
知り合いの先生は
「スマートシニアの誘致」を提案されています。
函館と同じ課題を抱えている地方都市は数多く存在します。
それぞれの都市が単独で人口減少に向き合っても
日本全体の人口減少という大波にいずれ飲み込まれます。
函館は消滅するのか、
しません。
他の都市と足並みを揃えるためのキーワードは
物流と高齢者だと考えています。
院長 小西宏明
2024-09-28 21:54:00
クリニックブログ
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