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皮膚潰瘍

皮膚潰瘍

下肢静脈瘤の合併症のひとつに皮膚潰瘍があります。
この潰瘍という言葉はしばしば正確に使われていません。

当院で使用している問診票には「潰瘍がある」という選択項目を設けていますが、
これに○を付けていても実際に潰瘍がある方は少ない印象です。

潰瘍という言葉自体は胃潰瘍が有名な病気であることから、
知らない人はいないと思います。

余談ですが、何故胃潰瘍が皆がよく知るところとなったかには2つの理由があります。
ひとつは日本人に胃の病気が多いことです。食生活やピロリ菌感染との関連もわかっています。
もうひとつは胃癌の別名として使用されていたことです。

私が研修医であった40年近く前は、本人への癌告知は僅かしか行われていませんでした。
例えば検査で胃癌が見つかった場合、まずは家族と相談して
本人には「重症の胃潰瘍で手術しなければならない」と伝えることがほとんどでした。

今でも記憶に残っているのは40歳代女性で、
研修医1年目に手術入院の1ヶ月間だけ担当医でした。
スキルス胃癌で胃全摘、膵脾合併切除、リンパ節郭清を行いました。
初回入院はもちろんですが、
1年後にお亡くなりになるまで重症胃潰瘍の説明で通していました。

潰瘍の話に戻りますと、
胃潰瘍は普段に自分の目で見ることが出来ない内臓の病気であることから
正確に「潰瘍」という状態を理解していないだろうと思います。

潰瘍とは粘膜や皮膚が何らかの原因で障害を受け、
深くえぐれた状態のことです。
”潰”とは「崩れる」という意味です。

ですから「皮膚潰瘍」であれば、
皮膚に傷が出来て大きくえぐれた状態ということです。

ところが問診票で選択された部位を診察で拝見すると
多くの場合は潰瘍ではなく「色素沈着」です。
濃い茶色や黒色になっていて重症感があるために「潰瘍」と思われるのかもしれません。

今日は他院の皮膚科から潰瘍のご紹介を頂きました。
医師の診断ですから当然”本当の”潰瘍、しかも4センチにも及ぶものでした。
原因が下肢静脈瘤と診断出来ましたので、
早急に当院で手術予定と致しました。

医学用語の一部は一般の日常会話で使用されていますが、
言葉を知っていても、その病態を正確に理解しているとは限りません。
心して患者さんの訴えに耳を傾ける必要があります。

院長 小西宏明

2024-11-22 21:33:00

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