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内科会新年会

内科会新年会

今日は内科会の新年会でした。
今期は私の出席割り当て分はこれが最後です。

毎年忘年会、新年会を会長と副会長3名で分担していますが、
コロナが5類に移行して急に出席しなければならない会が増えました。

ご参加の先生からもお話されていましたが、
実は市内でこのような会が開催できる施設が限られ、
毎週のように同じ食事となることが稀ではありません。

いろいろな先生方との話題に上がったのは
やはり年末からのインフルエンザ患者急増です。
休日当番は150から最高200名余り、
夜間急病センターも100名近くで、
終了は午前1時のようです。

発熱者は診断のための検査と投薬を求めておられるのは当然ですが、
検査キットはすでに一部は出荷制限で入手困難です。
早晩、医療機関を受診しても検査出来なくなるはずです。
ただ急激な高熱や現在の市内の状況からは
検査キットで判定しなくても医学的には診断可能です。

また薬も一部入手困難です。
抗インフルエンザ薬は、市民からは特効薬のように思われているかもしれませんが、
実際には発熱が1,2日短くなるだけで、決して根治薬ではありません。

欧米ではインフルエンザの薬を服用することはほとんどありませんし、
タミフルの使用は日本が世界一多くなっています。

少なくとも流行は今月いっぱいは続くとみられていますが、
病院を受診しても検査出来ない、薬なしとなることは想定内です。

病院に行って、インフルエンザウイルスが蔓延している空間で5,6時間も待つよりも
家で解熱剤を飲んで、水分補給しながらゆっくり過ごす方が
むしろ早く治ることだってあります。

すでにテレビでは敢えて医療機関を受診しなくても良いことなどを周知し始めています。

しかしこれだけ全国的な爆発的感染状況では
集団心理が働いていることも感じます。
1.熱が出たら直ぐに検査しなくてはならない。
2.早く診断してもらって薬を飲まなくてはならない。

朝起きて38度に熱発して、午前中、いや午後に検査したとしても
偽陰性(感染しているが検査では陰性と判定)となる確率はかなり高く、
ならば24時間我慢してから検査かと言えば、
体力を消耗するばかりです。
市販の解熱剤で自宅療養した方が結果的には早く治ると思います。

ここまである地域にインフルエンザが蔓延した場合、
敢えて検査する必要はなく、
またどうしても抗インフルエンザ薬を飲む必要はありません。

しかしこの”集団心理”とは恐ろしいものです。
皆何かに取り付かれたように「検査、薬」となることも肯けます。

では我々医療提供側で改善出来ることはないでしょうか。
来週、臨時で医師会常務委員会で検討することになりました。

個人的な情報収集の範囲では、
少なくとも休日や夜間の当番医を増やす必要はないという意見があります。
確かに医師独りで100名余りを診ることはスタッフを含めて大変ではありますが、
今期が特殊な状況であることは明らかです。

むしろ1年を通じてこれ以上当番の回数が増えることは回避したいと思っています。
市民の側からは反対もあろうかと考えられますが、
一番の問題は「医師の高齢化と減少」です。
医師という地域の”資産”を使い過ぎると、
結果的にはもっと過酷な状況が襲ってきます。

地域を守って行くためには市民の協力が不可欠で、
医療従事者を温存しなければ、
特に函館は人口減少よりも医師減少の方が早く問題化することはわかっています。

今現在、医師会員について60歳以上が6割以上を占めています。
夜間、休日の当番の年齢上限の目安が65歳になっていますから、
もし単純に年齢上限で順次当番を引退されると
医師数は半分になります。

これでは残された若い医師だけでの当番は不可能です。
今当番をなさっている最高齢は85歳です。
一般の会社でその年齢で第一線の営業マンをする人がおられるでしょうか。

このことをもう少し市民に知らせても良いのではないでしょうか。
さらに将来予測としてこの函館市という地方都市でさえも
2040年頃には今よりも人口当たりの医師数が減ってしまい、
今と同じ夜間休日制は維持出来ないことを。

私が考える夜間休日当番の改善策はスマホを利用した予約制です。
すでに多くの小児科では運用済みのシステムです。
ニュースでは朝の受付開始から数分で午前中の予約枠が埋まると言われていました。
医師独りのクリニックでは時間当たりに診察、検査可能な患者数は限られ、
それ以上が殺到しても単純に待ち時間が延びるだけです。
中にはイライラして「医師は昼ご飯を食べるな」というカスハラもあります。

予約制にするメリットは自宅待機出来ることがあります。
具合が悪いときは混雑する待合室や車の中で待つよりも、
自宅のベッドで暖かくして水分と栄養を摂っている方が有効的です。

ついでに言えば、クリニックの駐車場は通常数台しか入れません。
溢れた患者の車は周辺道路の交通障害につながります。
予約時間の少し前に来院すれば、それも緩和出来ます。

最後にもうひとつ、
この異常事態を医師会として市民に周知するのはどうでしょうか。
コロナ禍の際は当時の医師会長がテレビで説明されました。
市民の集団心理を和らげる効果は期待されると思います。

いずれにしても状況を分析して
皆が知恵を出し合うのが今の医師会の利点です。

ひとりの医師や一部の医療従事者に負担が集中しないことが最優先事項です。

院長 小西宏明
 

2025-01-11 21:52:00

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