体調不良の時に対話型AIサービスによって助言を得ることを検証された結果が出ていました。
結論としては「利用者が不正確に結果を解釈する可能性がある」とされていました。
利用者とは一般市民を指します。
今でも自覚症状をインターネットで検索して
重大な病気の兆候ではないかと心配して受診される方がいます。
これらに共通するのは
一般市民では医学情報を正確に解釈したり判断することは難しいということです。
今回検証された対話型AIサービスの詳細は存知上げませんが、
担当された医師のコメントには「精度は高い」とあります。
つまり専門的な知識や経験を有する医師からみればという条件付きと言えます。
そのくらいAIサービスの学習能力は向上しているわけです。
AIサービスはいずれ診療現場に広まるはずですし、
医師不足や過疎地域を見据えると不可欠なサービスになるかもしれません。
そしてそれはいきなり一般市民が利用するというレベルではなく、
当初は医師や医療従事者が診療補助的に使用するレベルだと思います。
車の自動運転で言えばレベル2 特定条件下での自動運転機能くらいでしょうか。
私は高校生の時に早稲田大学理工学部で開発されていたWABOTの腕を見学に行きました。
当時のロボット研究の最先端だったと思います。
田舎の少年にとってはとてつもなく印象的な出来事で、
いつしかロボット研究への興味をそそられました。
それから日本のロボット開発は例のホンダのASIMOが有名で、
開発後期にサッカーボールをゴールに入れる様子には驚かされました。
その後も世界のロボット開発にずっと注目しており、
特に米国のボストンダイナミックス社のアトラスは鉄腕アトムの実現を彷彿させるものです。
在り来たりですが、科学技術の進歩は我々の想像を遙かに超えます。
医療分野におけるAIは、もう数年で前記のような課題はクリアしてくると思います。
案外と自動運転やロボットよりも容易かもしれないくらいです。
私が医師を志した切っ掛けとなった米国製の人工心臓は、
日本でも今は重症心不全の通常治療になっています。
30年前の留学中に動物実験していた機器は、
ここ函館市内の病院でも使われる循環補助装置の主要部品です。
対話型AIサービスは必ず一般市民が利用出来るレベルになり、
医師とともに診断治療を行う”相棒”となるでしょう。
そしてその頃はロボットと一緒に診療しているかもしれません。
院長 小西宏明
2025-04-06 17:20:16
クリニックブログ
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