今日は道南の臨床検査技師を対象とした研究会で講演をしてきました。
内容は下肢静脈瘤エコーです。
クリニックで検査技師を雇用して診療を行っているところは少なく、
さらに手術治療となると市内にはありません。
私の知る限りでは道内でも小樽にあるクリニック1カ所だけだと思います。
つまりそれ以外は中央検査部で技師がエコー検査を行っているはずで、
診断や手術治療を行う医師とのコミュニケーションが重要です。
検査における所見や病態把握の中立性は、敢えて医師以外が検査を行っている方が担保されやすいのですが、
一方で医師が目的とするところを確実に観察しなければ検査の有用性が削がれます。
という風な背景をもって今回私がご指名に預かり、
診断や手術治療を行う医師が検査も兼ねると、
何処に注目しているかを説明しました。
端的に言えば、「手術の適応があるかどうか、
あるとすれば注意点はどこか」という目線です。
特に手術をする上で必要な所見は
病態把握を主目的とする”検査”では必須ではありませんし、
そもそも外科医とのコミュニケーションなしには観察ポイントがわからないはずです。
今日は前半1時間は私の講演、
後半は実際の患者さん(関係者)を被験者としての実地指導でした。
エコー検査の場合は放射線画像検査や血液検査と違い、
技師の画像描出の力量が検査の質を左右するため、
実際の患者さんでのデモンストレーションは有用です。
そのためもあってか、質問も沢山出ました。
明日の検査から使える技術の習得だからだと思います。
貪欲に技術の向上を図ろうとする若い技師の皆さんの活気を感じました。
研究会終了後には近くの料理店に移動して懇親会が行われ、
主催された函館医療センターの先生や技師、
会の関係者が集いました。
例によって函館の方の飲みっぷりはさすがでした。
と同時に会話の内容や口調からは病院の医師と技師の距離が近く、
私が今回の講演で最も強調したかった”コミュニケーション”が十分に採られていることがわかりました。
おそらくですが、こういった医師とコメディカルとの距離を近くするのも疎遠にするのも
我々医師次第です。
穿った見方ですが、医師は大学を卒業と同時に社会人としては”ぺーぺー”であるにもかかわらず
病院に行けば「先生、先生」と呼ばれて偉くなったと勘違いさせられます。
とんでもない誤解ですが、「おらが大将」となり得るわけです。
組織の大小にかかわらず、
医師がその中心にあるのが”医療”です。
医療スタッフがドーナッツ状に並んで、患者を囲むと言う構図がよく示されますが、
ただ実際の指揮命令系統は医師を頂点とするピラミッド型になっています。
そこで重要になるのはトップダウンと同じようなボトムアップ方式です。
意思疎通、相互理解です。
私も若い頃はよく緊急手術のことで手術室師長と喧々諤々やりました。
”救命”の御旗の下にグイグイ攻めて、師長を困らせてしまいましたが、
中央手術部の教授になると師長以下看護スタッフを守るべく、
診療科の先生方の矢面に立ちました。
先生方と話しながら昔の自分を重ねて、
もっと早くこの気持ちがわかっていればなと後悔したものです。
懇親会の雰囲気はアットホームであり、
これがこぢんまりした地方の病院なのだろうなとも思いました。
大企業のような大学病院の殺伐とした印象はありませんでした。
本会は年に2回開催されていたそうです。
コロナ禍で中断され、今回で復活後たしか3回目と伺いました。
30名余り参加され血管をテーマとした中ではまあまあの人数だったようです。
私としては内容的に少しでも日常検査に役立てて貰えれば幸いですが、
一方で若い技師の皆さんの”意欲”を感じられたことは望外の喜びでした。
またお手伝い出来るテーマがあれば参加したいと思います。
院長 小西宏明
2025-09-06 21:35:00
クリニックブログ
| コメント(0)