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休日当番医

休日当番医

予報通り朝は時折激しい雨に見舞われました。
天候が悪いと、特に低気圧の影響で体調がすぐれなくなることは
自分自身も大いに経験しています。

しかしながら休日や夜間の受診者は減少します。
これは日本特有の現象です。
最たる例はコロナ禍の受診控えです。

悪天候の中受診するのは大変だ、
病院が自宅から遠い、
病院に行くと病気が移るなどが主な理由だと思います。

余談ですが、函館市の人口分布は明らかに北方面に偏り始めており、
ここ西部地区の当番医よりももう少し中央の病院があれば、
そちらの受診される傾向があります。
本日のもう1カ所は花園町にあるクリニックでしたので、おそらく混んでいたのではないでしょうか。

人口分布と言えば、スタッフから聞いた話では
小学校の生徒数が増加して運動会は2学年ずつ別の日時で行われるそうです。
子供さんが複数おられるご家庭では毎週運動会に行かなければならないということです。
親御さんも大変ですが教職員はもっと負担が大きそうな気がします。
実は私も57年前、生徒数増加によって新設された小学校に通い、40人7クラスありました。
驚いたことに数年前に実家に戻ると更にもうひとつ小学校と中学校が出来ていました。

話が飛びすぎました。
今日は市内でも徐々にコロナ患者が増加しているので、
待合室を2つに分けて準備していましたが、結果としては発熱や風邪症状は僅かでした。

デンバー在住の旅行者も来られましたが、
日本の医療機関の受診のし易さにはきっと驚かれたと思います。
そのまま新幹線で東京に向かわれました。

物価高、人件費上昇、そして昨年の診療報酬減額改定によって
全国の多くの病院、診療所は大幅赤字に転落し、
地方では中心的に医療を提供している病院の存続が危ぶまれています。
財務省主導の改定では現場の医療が置き去りにされてしまいます。

病院は経営改革の一端として救急対応を増加させているところもあります。
夜間や休日の診療は少なくとも平時に加えて”加算”を取ることが出来ます。
同じ診療内容でも収入が増えるのです。
もちろんスタッフの給与も休日加算があるため支出も増えるわけですが。

函館市のように医療機関の役割分担が厳密に規定されていれば、
軽症者はクリニックへ、その中で医師が必要と判断した患者が2次医療機関へという流れが出来ます。
しかし経営改善のための受診患者数増加を目論み、軽症、重症に関わりなく
休日夜間の門戸を広げたとすれば、日本全体では医療財政を圧迫しかねません。

私が函館に来る前には軽症者が市立病院に大勢来院して
本来担うべき2次や3次の重症者の受け入れに支障を来す事態が起こったそうです。
いわゆる”ウオーク イン”の受診です。

実は私がいた大学病院でも同様のことがありました。
近所の方が風邪で大学の救命救急センターに来たり、
包丁で指を切って来たり、定期薬が足らなくなるから来たり、
救急車が次々来る中でも医師が対応せざるを得ませんでした。
今は紹介状のないウオーク インは受け入れていませんし、
基本的に県内の3次に特化しています。

国民の医療に対する受療行動を一気に変えることは困難です。
また診療報酬や薬価の操作にも限界があります。
そんなことは以前から関係者全てが考えていることで、
常に議論に上がるのが消費税問題です。

商店や飲食店で買い物や飲み食いした代金に加えて消費税を支払うのは国民の義務です。
しかしこと医療については病院が負担しています。
病院となれば年間数億単位です。これは税金の主旨に反しています。
もし小売店や飲食店に当てはめれば、あっと言う間に倒産するでしょう。

この医療機関の消費税問題は実質手が付けられないのが実情であり、
つい先日の北海道医師会理事会でも会長自らが
政治的な対応を待たなければならないと明言されていました。

最も医療そのものに影響しない改善策であるにもかかわらず
パンドラの箱を誰も開けたがらないのです。

休日夜間の診療だけを考えても日本の医療制度の限界が見えてきます。
病院が倒産や閉院して、それこそ地方の声が大きくなるのを待つしかないという
極めて後ろ向き、消極的な対応です。

昨日のエコー研究会を振り返ると
若い技師達の、技術を向上し患者さんのために頑張ろうとしている姿を目の当たりにすると、
我々のような年配の医師や老獪な政治家が何とかしないと
若い世代のモチベーションが下がり、引いては日本の将来にも関わります。
人口減少が不可避となった今では、若い人達が希望を持てる制度設計が必要です。

院長 小西宏明

2025-09-07 21:36:00

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