今日は青森の病院で診療でした。
今年も岩手医科大学の学生実習が始まり、
協力病院であるため学生への指導を行いました。
最近の医学部臨床実習は大学病院内だけではなく、
地域医療を学ぶ目的で関連病院や協力病院へ出向して行われるようになっています。
今回は受け入れは4名で、2回に分けて指導することになりました。
私の診療は下肢静脈瘤に限ったもので、
外来初診から検査、そして手術とひと通りの治療内容を学べる仕様です。
岩手医科大学は私立の医学部単科大学で学費が高額なため
やはり開業医のご子息ご令嬢が多い傾向にあります。
今年の4名は初めて全員女子学生で、
偶然とは思いますが、昨今医学部は女子が増加しています。
今日指導した2名は最初から元気いっぱいで、
患者さんへの挨拶も大きな声でした。
実は挨拶は学生達のコミュニケーション能力を計る上で重要視しています。
余談ですが、私は朝一番の新幹線で通勤するため
病院に到着すると最初に必ず守衛と院内清掃の方々にお会いします。
そこでははっきりと挨拶することを心掛けています。
院内清掃の方はおそらく病院職員ではなく、
契約している外部の清掃会社からではないかと思います。
なかなか同じ顔ぶれに出会うことがありません。
大学病院の頃から医学部や看護学部の学生指導は行っていましたので、
実習前の初対面の印象でだいたいどんな学生かわかるようになっています。
やる気満々の子もいれば、カリキュラムだからこなすという子もいます。
今日の初診患者さんは2名とも典型的な下肢静脈瘤でした。
エコー検査も逆流がわかりやすい状態でしたし、
2例の手術も違った治療方法を見学してもらうことが出来ました。
教える側からすると必要な診療内容を網羅していました。
学生実習とは言え、医師となってからも二度と出会わないような症例もあります。
しかし下肢静脈瘤は心臓血管外科領域では高頻度な病気で、
医師として現場に出れば、稀ならず診ることになります。
それが故に最先端の治療がどんなものかを知っておくことは
自分が直接治療することがなくても”紹介”する切っ掛けになります。
そして紹介にはコミュニケーション能力が不可欠です。
私の実習で驚かれるのは歩くのが速いことです。
外科医は時間との勝負の場面が多く、
研修医時代には階段や廊下は速く行けと教えられました。
早く現場に到着して、見る聞く、そしてチャンスあらばやらせてもらう。
今も階段は2段ずつ上りますが、
これは速く移動するためよりも、サルコペニア(筋力低下)予防です。
加齢に負けないように。
残り2名の学生さんも元気いっぱいであることを期待したいと思います。
院長 小西宏明
2025-10-02 21:57:00
クリニックブログ
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