午後からはこれがトップニュースでした。
昔ほどには女性初の総裁ということが強調されていないのは
やっと世界の潮流に乗ってきたかと思うと共に、
今如何に国内に山積する課題が多いかを示していると思いました。
米国大統領ほどではないにしても
自民党総裁、そして総理大臣の施政への影響は少なくありません。
選挙中のアンケートでも物価高対策が喫緊の課題であることは明らかでした。
挙がっていたのは
1.消費税減税
2.ガソリン暫定税率廃止
3.現金給付
です。
3についてはどの候補も消極的で、実際どれほど国民が実生活において
実感するかは疑問です。
1と2は税金を減らすということで、国民が直接的に実感出来る可能性はありますが、
大きなデメリットも指摘されています。
それが医療介護、地方財政の不足です。
つまり直近の生活で物の値段が下がるかもしれませんが、
徐々に医療介護の縮小や公共サービスの低下を招くことになります。
既に昨年の診療報酬改定を契機として病院や診療所の大半が赤字に転落しており、
一部は閉院や規模縮小、医療の質の低下が出ています。
来年度に緊急処置としての補助金などの手当がなされなければ
地域の病院から順次日々の診療に影響が出かねません。
少なくとも令和8年度の改定では大幅な診療報酬アップが必要です。
それは何を意味するかと言えば、高齢者を中心とした自己負担の増加です。
地方財政についても、国からの交付税や補助が減れば、
例えば老朽化した水道管事故のようなインフラ整備が一層滞る可能性もあります。
ただ消費税が目の敵にされている印象がありますが、
物の値段をよく見なければなりません。
以前言われていた2%どころか、直近は3%以上の値上がりです。
米の価格に注目が集まりますが、あれは特殊な食品であり、
全体を俯瞰すれば様々な要因で上昇傾向は続きます。
物価が上昇し過ぎると消費税率減税分を越えてしまいます。
ザックリな試算では11%物価が上昇すれば、消費税1%の減税効果は無くなります。
11%の物価上昇とは、4年間2%ずつ上がり続けることです。
3%なら2年余りです。
物の値段は誰が決めているかと言えば、
当たり前ですがそれを販売する立場の人です。
原材料費、運送費、人件費が上がれば価格転化となりますから
そこには苦渋の決断はあるかもしれませんが、
”下げる”という選択枝はあり得ません。
特に人件費は労働者の給与であり、これからも上がりますから、
もしそれがそのまま物価に転嫁されれば、
給与上昇と物価上昇のどちらが大きいかという”競走”になります。
そして物価が上昇すれば消費税減税効果は薄らいでいきます。
非常に感覚的な問題ですが、
デフレからインフレ基調に転じた中では消費税減税が如何に短期間の
生活実感を変えるだけかという予測が成り立ちます。
一方で減税によるデメリットを、特に高齢者を中心に感じることになると思います。
ひとつには社会保障財源不足に対して高齢者の自己負担額はこれからも増加するからです。
この部分は普段の生活での消費税減税を優に凌駕するはずです。
但し、中高年から病気の予防や健診に注力すれば医療や介護を必要とする時期を先延ばし出来て
家計における医療介護費用を縮小することにつながります。
つまりこれからは生活に余裕をもっていくためには
目先の物価に一喜一憂するよりも
身体の健康、そして健診受診を考えるべきです。
実は家計簿の中、特に死ぬまでの収支を考えると
医療と介護費用が如何に大きいものか見えてきます。
余りに仮定が複雑になるのですが、我々の生涯収入の約10%になります。
ただ日本では公的負担があるため約3から5%に下げられているため、
ここが変わると大変なのです。
身体の健康維持に自己投資することは
非常に有用であることがわかります。
院長 小西宏明
2025-10-04 21:48:00
クリニックブログ
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