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教えることは自ら学び直すこと

教えることは自ら学び直すこと

下肢静脈瘤のレーザー治療を行うためには、実施医師の資格と施設認定の両方が必要です。

今回、この施設認定に関するルールが改定されることになり、今後は5年ごとの更新手続きが必要となりました。ただし、新ルール施行後には2年間の猶予期間が設けられています。

当院については、私自身が指導医資格を有しているため、所定の講習会を受講すれば更新要件を満たします。しかし、青森で診療を行っている病院では、新たにもう一人の認定医が必要となりました。

その病院は個人病院ではありますが、多くの専門医が常勤しています。しかし昨今の医師不足は、特に地方都市で深刻です。すべての診療科の専門医を常勤で確保することは難しく、一部については北海道大学病院、弘前大学病院、岩手医科大学病院、さらには東京からの非常勤医師によって支えられています。

今回、院内の外科の先生が認定取得に協力してくださることになりました。下肢静脈瘤手術そのものは、おそらく研修医時代に経験されているはずですが、改めて最新の知見を学んでいただくことは、私にとっても大変光栄なことであり、病院全体にとっても有益なことだと思います。

久しぶりに検査や手術について説明をしてみると、自分自身の知識を再確認する良い機会にもなりました。手術手技そのものは、外科医であれば決して特殊なものではありません。しかし、「なぜそうするのか」「どこに注意すべきか」といった部分は、他人に説明することで改めて整理されます。

この感覚は医学生や看護学生への講義でも同じです。人に教えるためには、その内容だけでなく背景知識まで整理しなければなりません。場合によっては教科書を読み返し、最新の知見を学び直す必要もあります。

既存の知識や技術を指導する上で難しいのは、経験に基づく個人的な見解や、自分なりに工夫した手技の伝え方です。相手には相手の考え方や方法論があって当然ですし、人間の身体は機械ではありませんから、すべてを教科書やガイドラインだけで説明できるわけではありません。

だからこそ指導とは、「原則」を示すことなのだと思います。最低限守るべきこと、押さえるべきことを確認する作業と言い換えることも出来ます。

実際に医療過誤の検討などを見ていても、「当時の医学水準に照らして」「重大な過失があったとは言えない」といった表現がしばしば用いられます。医療には常にある種の曖昧さが存在します。

真実は一つであっても、診断や治療への到達経路は必ずしも一つではありません。「これ以外は全て間違い」と明確に割り切れる世界ではないのです。

以前にもこのブログで書いたことがありますが、開業すると若い医師の教育に関わる機会は極端に減ります。それは同時に、自分自身が知識を確認する機会を失うことでもあります。また、今の若い世代が何を考え、どこで悩み、どこで躓いているのかを知る機会も少なくなります。相手の悩みがわからなければ、適切な指導も出来ません。

今回はやむを得ない事情から始まった指導でしたが、結果として私自身にとっても大変有意義な時間となりました。

教えることは、自ら学び直すことでもあります。これからも自己研鑽の一環として、このような機会を大切にしていきたいと思います。

院長 小西宏明

2026-05-29 21:55:26

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