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休日当番を支える医師たち

休日当番を支える医師たち

明日開催される4市医師会の懇親会では、開催地の医師会が地域医療の課題について話題提供をすることが慣例となっています。

今回は会長からのご指名を受け、「休日当番の一部センター化」をテーマに、食事前の約10分間お話しすることになりました。資料作成も私が担当しました。

函館市では以前から市の委託を受け、医師会会員が交代で休日当番を担当してきました。

厳密な定義はないようですが、この活動は基本的にボランティアです。

内科は内科会、外科は外科・整形外科、小児科は小児科会が中心となって当番を担っています。

以前は産婦人科、耳鼻咽喉科、眼科も休日当番を行っていましたが、医師不足のため現在は直接二次医療機関が対応する体制へ移行しています。

今回改めて函館市の人口動態と医師会員の状況を詳しく調べてみると、一つの事実が浮かび上がりました。

人口は減少しているものの、それ以上の速度で医師会員数が減少しているのです。

しかも増えているのは高齢者人口です。

つまり、休日に医療を必要とする可能性のある住民は増えている一方で、それを支える医師は高齢化し、病気や引退、さらにはご逝去によって減少しているということになります。

では、休日当番を担当する医師にとって最も大きな負担は何でしょうか。

ひとつは患者数、もうひとつは年間の当番回数です。

年間平均では、1回の当番で約44人を診察しています。

しかし実際には季節による差が非常に大きく、春や秋には十数人の日もあれば、インフルエンザ流行期には100人を超えることもあります。

さらに市内でも立地によって受診者数には差があり、市の中心部では患者数が多く、西部地区や東部地区では比較的少ない傾向があります。

繁忙期の患者数も大変ですが、多くの先生方が負担と感じておられるのは、実は年間の当番回数です。

現在は年間2〜3回、多い年では4回担当しています。

年齢を重ねるにつれ、休日にしっかり身体と心を休めることの大切さを痛感するようになります。

医師もまた、一人の人間です。

「病気を診るのが仕事でしょう」と思われるかもしれません。

もちろんその通りです。

しかし精神的な負担となるのは、診療そのものよりも、本来休日診療を必要としない受診への対応であることが少なくありません。

例えば、「薬が切れたので処方してほしい」「平日は仕事で受診できない」「数か月前から調子が悪い」「何となく体調が優れない」といった理由で休日当番を受診される方がおられます。

もちろん患者さんにはそれぞれ事情があります。

しかし、本当に緊急の患者さんが待っている状況では、限られた医療資源をどう配分するかという問題が生じます。

これは救急車や夜間急病センターの適正利用とも共通する課題です。

大学病院勤務時代、救命救急センターで忘れられない出来事がありました。

「明日からディズニーランドへ行くので、子どもの風邪薬をもらいたい。」

そう言って救命救急センターを受診された方がおられました。

偶然その場にいた小児医療センター長が自ら受付へ出向き、丁寧に事情を説明したうえで診療をお断りしたことを今でも覚えています。

医療従事者は、医師だけでなく看護師や事務職員を含め、一人でも多くの患者さんを診たいという思いで働いています。

だからこそ、ごく一部とはいえ、本来休日診療を必要としない受診が続くと、本当に診療を必要とする患者さんへの対応に影響が及ぶことを危惧しています。

今回の試算では、このまま医師の高齢化が進めば、10年後には現在と同じ体制を維持するために20名以上の医師が不足するという結果になりました。

仮に一人の医師が50人以上の患者さんを診察することを許容したとしても、医師数そのものが不足すれば、年間の当番回数はさらに増えていきます。

現在でも函館市では、75歳を超える先生方が10名以上、休日当番を担当してくださっています。

昨年は夜間急病センターで当番を続けておられた85歳の先生がご逝去されました。

75歳を超えた先生方に、「あと10年お願いします」と言える人はいないでしょう。

規約上は65歳で休日当番を退くことも可能ですが、多くの先生方は地域医療のために、その後も担当を続けてくださっています。

私も今年65歳になりますが、引き続き休日当番を担当するつもりです。

今回、一部センター化を始めた最大の理由は、こうした将来の医師不足を見据えたためです。

限られた医師数の中で、休日医療をいかに維持していくか。

これからは、一人ひとりの善意だけに頼る時代ではありません。

医師会として知恵を出し合い、持続可能な仕組みへと少しずつ変えていくことが、地域医療を未来へつないでいくために必要なのだと考えています。

院長 小西宏明

2026-07-31 21:50:00

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