今日は港まつり2日目。十字街から始まる「イカ踊り」を見に行ってきました。
今年もGLAYのメンバーが参加しているということで足を運びましたが、開始から2時間ほど経っていたため、かなり函館駅寄りまで歩いて探しました。
沿道には大勢の市民が陣取り、一緒に掛け声をかけながら踊りを楽しんでいました。
ただ、10年前と比べると観客はやや少なくなったような印象も受けました。その一方で、外国人観光客の姿は以前よりもずいぶん増えたように感じます。
電車通りの賑わいとは対照的に、一本裏道へ入ると驚くほど静かでした。
普段は車で通り過ぎるだけの場所ですが、歩いてみると新しい発見があります。
道路沿いには昔商店や倉庫だった建物が残り、シャッターを下ろしたままの店舗も少なくありません。人口減少を考えれば仕方のないことかもしれませんが、その一方で比較的新しい住宅も点在しており、「どんな方が暮らしているのだろう」と興味を引かれました。
ここは間違いなく観光地の徒歩圏内です。
スーパーやドラッグストア、コンビニも決して遠過ぎるわけではありません。
そして何より、この地域の大きな魅力は市電の停留場が近いことではないでしょうか。
西部地区は函館市内でも最も高齢化が進んでいる地域です。
近年は高齢ドライバーによる事故も社会問題となり、できるだけ早く運転を控えることが勧められています。
しかし、運転をやめられない最大の理由は、日常生活の「足」を失ってしまうことです。
東京のように公共交通機関が発達した都市では、若い世代でも車を所有しない人が珍しくありません。
函館では、市電とバスが高齢者の生活を支える重要な交通手段です。
だからこそ、市電の停留場に近い場所に住むことには大きな意味があります。
とはいえ、函館には冬があります。
一戸建てで暮らす限り、雪かきは避けて通れません。
玄関先だけでなく、歩道の一部まで近所同士が協力して除雪するのが当たり前です。
もちろん地域で助け合って生活されていますが、一方で病気やけがによって突然除雪ができなくなることも決して珍しいことではありません。
駅に近いという利便性を十分に享受できるのは、自分の足で歩き、日常生活を送れる間です。
さらに身体機能が低下すれば、食事や生活支援を受けられる環境が必要になってきます。
近年、多くの地方都市でコンパクトシティ化が進められてきましたが、思うような成果を上げているとは言えません。
行政が「こちらへ住みましょう」と促しても、人は簡単には住み慣れた場所を離れないからです。
実際に住まいを変えるきっかけになるのは、多くの場合、病気やけがです。
数年前から「独り暮らしはそろそろ難しいでしょう」とお話しし、ご家族も同居を勧めていた患者さんがおられました。
しかし、ご本人は決断できませんでした。
ところが入院をきっかけに、施設への入所を決められました。
人は頭では理解していても、なかなか行動には移せません。
禁煙、特定健診、がん検診、運転免許の返納。
どれも必要性は理解していても、実際に動くには大きなきっかけが必要です。
住み替えや施設入所も、その一つなのだと思います。
人生の最終段階では、多くの人が医療や介護の支えを受けながら生活することになります。
それは決して特別なことではなく、自分らしい生活を続けるための選択でもあります。
今日、西部地区を歩きながら改めて感じたのは、「駅に近い」という価値は決して永遠ではないということです。
その利便性を享受できる期間は意外に短く、その先の暮らしまで見据えて住まいを考える時代になったのだと実感しました。
院長 小西宏明
2026-08-02 21:14:00
クリニックブログ
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