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草むしりにも文化がある

草むしりにも文化がある

クリニックの隣には、広い月極駐車場があります。

毎年夏になると雑草が生い茂り、冬には凍結したり、深い雪にタイヤを取られる車も出てきます。

先週の土曜、日曜の早朝、その駐車場に数名の若者が自転車で来て、草取りをしていました。おそらく外国の方々だと思います。

見ていると、鎌で伸びた茎を刈ったり、手で葉をむしったりしています。しかし、私たちがイメージする「草むしり」のように、根っこから抜くことはありません。

そのため、作業した場所にも緑は残っています。ただ、背の高い雑草は確かになくなっています。

最初は「随分と大雑把な草取りだな」と思いました。

ところが、調べてみると、これは単なる作業の丁寧さの問題ではないようです。

東南アジアなどでは、植物の成長が非常に速く、一本ずつ根から抜くより、鎌や草刈り機で上部を刈る方が効率的です。また、強い日差しやスコールから土壌を守るため、草を完全になくさないという考え方もあるようです。

さらに、除草の目的も日本とは少し違います。

日本では「雑草のない、綺麗に手入れされた土地」を美しいと考えますが、地域によっては、草刈りは見た目よりも蚊や害虫、危険生物を防ぐための衛生・安全対策という意味合いが強いのだそうです。

どれも聞いてみれば、なるほどと思う理由です。

しかし、ここは日本です。

今回の作業は、駐車場を綺麗にするために依頼されたものですから、発注者が求めていたのは「伸びた草を刈る」ことではなく、「草を取り除く」ことだったのでしょう。

「郷に入っては郷に従え」

とは、こういうことなのかもしれません。

もっとも、発注者自身がそこまで細かく伝えていなかった可能性もあります。

もしこれが自分の子どもたちだったら……。

「草むしりとは、根っこから抜くものだ」

と、みっちり「草むしりの極意」を教えただろうと思います。

院長 小西宏明

2026-09-07 18:45:45

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