古くは心臓には心が宿るなどと言われたこともありますが、心臓は単なる血液を全身に送るためのポンプです。私は医学生の頃から人工心臓の開発に携わってきており、正に実感できます。ただそのポンプの仕組みは実に巧妙であるが故に、生まれつき(先天性心疾患)であったり歳を重ねるに従って各所に障害(後天性心疾患)が出てきます。
心臓の病気
端的に言えば、心臓を形作るパーツそれぞれに不具合が生じた状態、それが心臓の病気です。例えば心臓の筋肉に栄養や酸素を送る血管(冠動脈)が狭くなったり詰まったりすると、「狭心症、心筋梗塞」です。心臓の4つの部屋を境する逆流防止弁が漏れたり、狭くなったりすると「弁膜症」です。
さらにポンプとしての拍動リズムが乱れると、「不整脈」です。




血管は字のごとく血液(液体)が流れる管です。栄養や酸素に富む液体が流れる上水道が動脈、老廃物が流れる下水道が静脈と例えても良いでしょう。
外科はザックリと大きく2つに分けられます。ひとつは病的なものを切除する外科、もうひとつは病的なものを修復・形成する外科です。心臓血管外科は後者になります。心臓は取ってしまうわけにいきません。癌を取り扱う外科は前者でしょう。整形外科が取り扱う多くの手術は後者でしょう。
太腿やふくらはぎなどの血管が浮き出る下肢静脈瘤は静脈に存在する「逆流防止弁」の障害によって引き起こされます。その多くが浮き出ている場所よりもさらに上流部分に原因が存在します。




